駐車場は車を利用するうえで重要なインフラの一つですが、現状では多くの駐車場が利用・運営の両面に多くの課題を抱えています。利用者にとって、駐車券やサービス券の紛失トラブルが起こりやすいほか、デジタル決済への対応の遅れなどが指摘されています。一方、運営者にはメンテナンス・現金回収といった運営コストと設備投資が大きな負担となっており、市街地を中心に駐車スペースが不足する一因となっています。
両社が共同で実証事業を行う次世代の駐車場システムは、プラグテックの持つAI・ブロックチェーン・クラウドサービス関連技術と、ミネベアミツミの持つセンサーやネットワーク構築技術を融合することで、飯塚市のユーザーの利便性と駐車場運営者の収益性を大幅に向上させます。
飯塚市は福岡県におけるスタートアップエコシステム拠点形成の一翼を担っており、中でもブロックチェーン分野における民間企業との協業に力を入れています。プラグテックは、飯塚市が新産業の創出や企業集積などを目的に令和5年度に募集した飯塚市先端情報技術実証実験サポート事業に採択されています。ミネベアミツミは、グループ会社であるミツミ電機株式会社が飯塚市に50年以上拠点を構え、地元の産業発展と雇用の創出に貢献するなど、同市と深いつながりを維持しています。今回の共同実証事業は、このような背景をもとに実現したもので、駐車場における車の入出庫検知を低コストかつ短期間で実現できるシステムを導入し、実運用における信頼性や連携の検証を進めます。また、支払いもQRコードと手持ちのスマートフォンで簡単かつキャッシュレスに行えるようにし、実運用におけるユーザー体験やプライシングなど事業化の可能性を検証します。
■将来展開について
地図アプリやカーナビなどで目的地周辺の駐車場情報をリアルタイムで案内し、満空状況・料金表示から予約までワンストップで提供するサービスや、予め登録された自動車ナンバーと駐車場に設置されたAIカメラが読み取ったナンバープレート情報を照合して、運営会社の異なる駐車場間でも横断的にチケットレス・自動決済を可能にするサービスの開発を進めてまいります。
今回はその第一弾として飯塚市内における駐車場のデジタル化を支援するとともに、将来的には日本全国700万台分ともいわれる駐車場市場への展開を目指します。
【飯塚市での共同実証事業の現地イメージ図】
パーキングセンサーと決済用QRコードを掲載した看板の設置という最小限の設備で駐車場運営が可能になります。パーキングセンサーで検知した情報は、ゲートウェイを介してクラウドと連携します。
【将来展開の概念図】
将来展開の現地イメージ図(AIカメラ使用時)】
■各社コメント
飯塚市 飯塚市長職務代理者 久世 賢治
プラグテック様並びにミネベアミツミ様が連携され、両社の技術融合による「次世代駐車場」という、これまでにない新たな駐車場のビジネスモデルへの取組が本市をフィールドとして行われますことを大変嬉しく思っております。このような企業間の連携が先端情報技術の活用により実現され、その成果が市民の皆様の豊かな暮らしにつながる地域経済のモデルとなることを願い、本市としましてもサポートを行ってまいります。
プラグテック 代表取締役社長 大城 祐介
私たちは「駐車から、社会を動かす」をビジョンに、駐車場のデジタル化を目指すスタートアップです。ミネベアミツミ様という素晴らしいパートナーと共に、飯塚市で次世代駐車場の実証を行えることを大変嬉しく思っています。次世代駐車場の本質は『全ての駐車場における決済の自動化』であると考えており、様々な駐車場に対応できる入出庫検知技術に加えて、ブロックチェーンを活用した新しい駐車場の利用・運営体験を創ってまいります。
ミネベアミツミ 理事 貝沼 宏明
当社はベアリングやモーターをはじめとする機械・電子部品の製造・販売が主力事業ですが、近年、スマートシティソリューションといった社会的課題を解決するための事業にも力を入れています。今回、プラグテック様と一緒に当社とゆかりのあるここ飯塚市で次世代駐車場の実証実験を行えることを大変嬉しく思います。私たちはまちづくりと連携した新しい駐車場の在り方を提案することで、飯塚市の人々の暮らしを豊かにするだけでなく、日本の駐車場の発展に大きく寄与してまいります。
記者会見の様子
(左から、ミネベアミツミ 理事 貝沼 宏明、飯塚市 副市長 藤江 美奈、プラグテック 代表取締役社長 大城 祐介)
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